歴史の風
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「100年の時を越えて在りし日の姿へ」
2年間の復元工事を経て、福岡城潮見櫓が完成しました。
かつて47以上の櫓があったと伝えられている福岡城。
初代福岡藩士、黒田長政が慶長6年(1601年)から築城し、江戸時代264年の間、黒田氏の居城として偉容を誇りました。
潮見櫓は、以前、福岡城三の丸北西隅に建っていました。
江戸時代、櫓の西には海に面する大きな堀があり、海上の監視を行う為の櫓として、「潮見櫓」と命名されたと伝えられています。
今でも、潮見櫓からは周囲を見渡す事ができ、当時は城下町の向こうに海が見えた事でしょう。
福岡城の櫓は、江戸時代から残っている南丸多聞櫓の様に、建物外壁の上半分を漆喰で白く塗り、下半分に黒色の下見板を貼る点が
特徴です。
潮見櫓もこの形に沿って復元しています。
仕上がって終えば、何でもない様ですが、ここに至る迄、険しい道のりでした。
見積依頼を受けて積算し、様々な条件下で施工計画書作成。
材料仕込から始まり、壁土の熟成、藁苆を定期的に混入し改良。
竹小舞も建築当時の組み方を検証し再現。
社員と共に自社研修会を行って組み上げました。
今回使用した材料は、全て自社製造を行いました。
荒土・大直し土・小直し土・中塗り土・ちり土・糊ごめ漆喰・砂漆喰・砂灰・漆喰・白ノロ
沢山悩んで、検証・調整の日々。
経験不足は、拭えませんが、これまで勉強会などで頂いた「学び」を屈して取り組みました。
弊社は、気が付けば若手中心のチームで構成していて、お世辞にも凄腕の職人が居るわけでもなく、協力し合って取り組んでおります。
地元を中心にお陰様で野丁、住宅、店舗、文化財、外構と様々な仕事を自注していただいております。
「何事も前向きに」をテーマに、これまで歩んできました。
今回の工事は、工程・品質的に難度の高い仕事。
期待と不安の狭間で、大変な時もありましたが、社員や仲間たちに支えられ、無事に竣工を迎えることが出来ました。
思うように出来た事、出来なかった事、正直、悔いが残っております。
自分自身の力不足を身に染みて感じました。
しかし、この悔しさと経験は、これからの励みとなり原動力になると思います。
福岡城潮見櫓復元工事を大きな「区切り」として、もう一度出直す気持ちです。
思い込めて創り上げた潮見櫓が、また新たな福岡の「歴史の風」となって、存在してゆく事を切に願います。
これから、数年にも続く熊本城関連の櫓復元工事に向けて、材料や手法を弊社なりの視点を大切にし、今後も取り組んで参ります。